管理会社って何なの?
~だからこそ弊社がやるんです。
この度は当社ホームページを閲覧いただきありがとうございます。
折角ですので、ひまつぶしにでもご高覧いただければ幸いです。
さて、建物管理会社の仕事とは一体なんなのかということを、
あなたはどれだけご存知でしょうか。
ご説明申しあげるのなら、資産運用のために建物を賃貸されるオーナー様に代わって、
『適法かつ健全に、利用者様が快適に使用収益し生活またはお仕事が出来るよう』
お手伝いするための、法的対応能力・人的対応能力・計算能力等を
提供させていただく専門家、ということができます。
では前述に基づいて弊社が日々遂行している管理の仕事を有り体に申しあげますと
- 朝も夜も休みも無く電話がかかってくる。必要に応じて現場に向かう。
- 居住者さん、テナントさんへの適切かつ迅速な処理能力、気配りが求められる
- 協力会社さん、パートさんの協力なくして事業は運営できない
- きつい、汚い、危険
- 不動産会社さんより世間的地位が低い
というように、高い能力と覚悟、誠実さ、体力が求められます。
各項について少し深くご案内していきましょう。
· 朝も夜も休みなく電話がかかってくる。必要に応じて現場に向かう。
設備が故障や破損したときは現場に飛んでいき、あるいは先方と日程を調整して訪問日時を決めます。火事が起きたり水漏れが起きたりしようものなら、土日祝もぶっ飛んで対応に追われます。朝早くから働いてくださっている清掃パートさんに会いに行ってストレスを溜めてないか面談したり、お休みされるパートさんがいる場合は、たとえ前日が深夜0時帰宅でもAM4時半には起きて始発で現場に向かい、エプロン、マスクとゴム手袋を装着し、お掃除やごみ出しを行います。そして「いつもの人じゃないんですか」と訝しげに声をかけられれば、「はい、今日は代行です!」と元気よく笑顔で答えます。そのあと、管理物件の巡回等をしてお客様にお会いして、夕方に会社に着いてからようやく事務仕事を始めたりします。
このように、いつ電話がかかってくるかわからないので、もうかれこれ10年以上、弊社代表こと私は湯船にお湯を張って浸かることが出来ていません。本当にシャワーだけです。
シャワー気持ちいいですよね。朝イチのシャワーで目が覚めるのは健康面では問題あるかもしれませんが。あれ、脱線した。
· 居住者さん、テナントさんへの適切かつ迅速な処理能力、気配りが求められる
訪問先に不快感を与えない様、心身ともに身ぎれいに準備してから対応にあたります。
いきなり電話口で怒鳴ってくる人もいます(その際はそれなりの応対をしますが👅)
居住区に伺うときは、靴下に穴が空いているだけで「不潔」とネットに
口コミされた事例も見かけたことがありますので特に気を使います。
また、不安な気持ちで連絡してきている方に対する対応能力も大切です。
・協力会社さん、パートさんの協力なくして事業は運営できない
また、大切な妻もろくに旅行はおろか外食に連れて行くこともままなりません。暦では連休でも、だいたいは仕事で終わるか、たまに休めてもグッタリしているだけです。
専門的な知識や技術を要する点検、工事は、滞りなく対応するために協力会社さんとの連携は欠かせません。仕事をしていただく、また、自らも現場に行きトラブル時など判断が必要な時には責任を負うために自ら指示(依頼)を出したりします。よく、管理会社さんは協力会社さんや職人さんにいわば「命令」を出せると勘違いしている方を見かけますが、とんでもないことだと思います。
自分が出来ないことに対して対価を払い、処理してもらうことは「お金を出す方が偉い」ということにはならないと考えます。よっぽど「どうしてもウチでその仕事をさせてほしい」という業者さんなら話は別ですが、本当に能力の高い業者さんは、安売りせずとも常に忙しいのでこちらから「お願いする」のは当然です。
また、業者さんから提示していただいた金額が不相応に安い場合等はこちらから金額を上げたりもします。こちらが困ったときに(お金の面以外で)助けていただきたいのと、責任感を共有していただきたいからです。
職人さんと居住者さんとの価値観の差が生じることもままあります。そのときに管理会社が現場で調整、交渉するのも当然であり、それをしないなら管理会社とは言えないでしょう。
パートさんにも前述の「業者さん」への姿勢と同じことが言えます。
④ きつい、汚い、危険
電気工事も簡単なものであれば、自分で対処します(現状、第二種で出来る範囲ですが)。
管理会社をうたうのであれば、職人さんが手間賃だけで終わらせられる程度の内容なら自ら処理まで出来るのも必要だと思いますので、工具を使う必要がある営繕なども、インパクトドライバーや資材をリュックに詰めて現場に向かいます。重さでファスナーが壊れたり、洗っても落ちない汚れの付着が絶対に起こるので、毎年1回はリュックサックを買い替えます。
高圧受変電設備のある建物は、東京電力のものでない私設メーターがありますので、検針を行ってすぐに請求書に反映させ検算し請求書を作ります。法改正があれば雛形から変えたりしますので事務作業能力も当然求められます。人的ポカが起こりやすいため、リカバリー能力とその迅速性も言わずもがな必須となります。
その他、たまに建物の敷地や共用部に排泄したり嘔吐したりして逃亡する不届き者がいたりもします。
そういうときに限って新調したばかりのスラックスを履いていたりするので、汚物が服に付着しないよう気を付けつつ、えずいて涙を流しながらバケツに汲んだ水とデッキブラシを駆使して掃除したりします。廊下などに排泄された場合はゴム手袋を2重にして手で掬いあげたりも何度となく経験しました。当然怒りはしばらく収まりませんが。
雑居ビルの管理では、飲食店さんがゴミをきちんとポリバケツに入れて蓋をしないせいで、ネズミやGが食い破ったり集ったりするので、まき散らされたごみを片付けたり、ときには油とゴミで詰まった排水桝に手を突っ込んで詰まりを取ったりもします。いくら石鹸であらっても2日は臭いが取れなくなってしまいますので、最近は肩までカバーするゴム手袋を使うようになりました。
熟練の職人さんが施工する外壁工事時等には報告書用の写真を撮っていなかったりするため、足場に登って工程写真を撮影したりもします。ハーネスを装着しますが、高所恐怖症の人には出来ないですね。
· 不動産会社さんより世間的地位が低い
季節を問わずネクタイとスーツに身を包み、小ぎれいにしている不動産会社の営業さんは、文字どおり仲介や媒介等で成約することでオーナー様に直接的な利益をもたらします。
それに比べ、オーナー様からお金をいただいて管理業務を遂行し、時として作業服姿でオーナー様のお目にかかる管理会社は、きびしい目で見られるのは必然かもしれません。
ただし、建物にはそれぞれルールや設備が変化しますので、本来であれば管理会社が建物の賃貸仲介、売買を請け負う能力をも備え、「管理会社から不動産会社さんへ手配する」方が合理的ではないでしょうか。現に、建物のローカルルールや故障した設備を把握出来ていないまま賃貸住宅の客付を不動産会社さんが成された後にトラブルが発生する事例は枚挙に暇がなかったりします。
専門家の先生方によっては違うと指摘されるかもしれませんが、こういった
『不動産会社>管理会社』優劣の構図が形成された要因として、高度経済成長期にはよくあった
「地権者(オーナー)様が資産形成のため不動産部門の営業努力により建物を建ててもらい⇒管理部門はその不動産部門が成約した恩恵に預かり仕事をもらう」という流れが、ずっと変わらずに来ているからではないかと考えます。
また、不動産投資業界では「アセットマネージャーが計画・資金調達を行い、プロパティマネジメント部はアセットマネージャーからの要請のもと、建物維持管理と品質向上に寄与する」趣旨の通例もあります。それなら、土地建物の法律知識とアセットマネジメントのノウハウを具備した管理会社が、最初からそれらを行えば、無駄がないのではないでしょうか。
賃貸不動産経営管理士の勉強をしていると、「アセットマネージャーはプロパティマネジメント側からの現状報告と進言を受ける」形、いわば『オイ、PMさんよ~サッサと情報出せよ』スタイルが うすぼんやり書かれているように感じます。私はこの構造がどうも腑に落ちません。なぜなら既に新築ではなく築古建物が大半を占める現在の日本で、主導すべき立ち位置にいるのは管理会社であるはずだからです。
その管理会社の仕事における現場で汗と血を流す人たちが軽んじられる世の中はどう考えてもおかしい。オフィスワークに終始する方が頭を下げて『どうか忙しいところ申し訳ないですが、いまの状況を教えてもらえませんか』くらいで丁度いいでしょう。
学歴や生い立ちが貧しいから仕方なく現場仕事に就くのなら悲しすぎますし、蛇口のパッキン交換すらやったことのない不動産会社様に偉そうに言われると張り倒したくなります。そういう偉そうなのに限ってツーブロック、ツヤツヤスーツ、ロレックスの豪華3種盛りだったりします。ちなみに私は2000円カット(顔そり&シャンプーなし)、ヨーカドーのスーツ、Gショックです(←威張るな)。
そんな人たちに屈服しないためにも、時間が空けば資格の勉強も行います。
見積を出せば家電量販店のお買い物の時のように根拠なく値切られたり(もちろんそういうお客様とは距離を置きますが)、きちんと建物の設備や様式を把握しないままで仲介だけした不動産会社さんの尻ぬぐいに追われたり、電車に乗れば作業服というだけで汚物扱いされて舌打ちされたり。
大概、管理会社のホームページを見れば、グーグルさんの口コミで評価が☆1.7とかであったり。ここまでやっても、一般的には「管理会社風情」扱いされるのが、この仕事です。
さて、誰がこんな仕事をやるでしょうか?
自分でこの文をしたためながら、あらためてこの仕事はブラックそのものだと認識しました。
そもそも不動産会社さんが管理まで真っ当に遂行出来るなら。
職人さんが自分で気配りして営業まで出来るなら。
清掃パートさんが自ら売り込み仕事に就けるなら。
管理会社なんて不要なんです。
でも、それぞれの仕事はとても奥が深く、すべて網羅できる人なんてそうはいないでしょう。
だからこそ弊社がやるんです。
そして、そのために今、生命を削って仕事に向っているという自負を私はあらためて持ちました。
最後に。
営業職でありながら言葉遣いや礼儀礼節が出来ていない人、
個人的感情ですが食べ物や酒、ゴルフ風景や海外旅行写真をSNSにアップしている不動産経営者様は、虚栄心に満ち満ちた醜悪なものに見えるので大嫌いです。
従業員が経営者に求めるものは、従業員に絶対劣ることのない熱意と、仕事を自分でやり抜く力だと私は思っています。会議で進捗確認し、慰労と銘打って酒宴を開けばいいものではありません。
またいつか自分でこの文章を読んだときにも恥ずかしくない自分でありますように。
東利ビルサポート 中村